本沢温泉と硫黄岳

2016年5月8日日曜日

HIKING OGAWAND OWN 厳冬期 山と道 U.L.FramePack ONE 八ヶ岳

t f B! P L
2016/2/7 IOU-DAKE

初めての冬季山頂アタックは八ヶ岳へ




尾瀬の帰りにタロくんと「今シーズンも一回は雪山行きたいよね」っという話になり、とりあえず日程だけ決めといて、行き先などは近くなったらまた話そうとういうことになってた。

俺が厳冬期に歩いたことのある山域と言えば、去年の安達太良山と奥多摩奥秩父に南アルプス(山頂アタックはなし)。日本海側の山は冬型気圧配置の影響でドカ雪になりやすく初心者向けではないので却下。八ヶ岳なら山小屋も通年営業だし、小屋泊でステップアップにちょうどいいのでは?っと話がまとまった。

八ヶ岳、小屋泊、っとなると温泉に入りたくなるのが風呂好きのサガなので、本沢温泉を絡めたルートを組んで計画。去年の安達太良山の温泉も良かったもんねーってことで2人も乗り気な様子。
2週間前くらいに電話予約すると、もう個室は埋まってるようだったけど、まぁ冬の山小屋なら相部屋でもいいよねってことで本沢温泉小屋泊の硫黄岳アタックに行程決定!


金曜日の夜に仕事を終えて買い出しをして、軽く家の片付けをして、まつもに置き手紙を置いて出発。
高尾でコタさんと合流し、まもなくタロくんに車で迎えに来てもらって高尾山ICから高速で長野まで。

車中泊よりテント泊の方がぐっすり寝れる

須玉ICで降りた後、「道の駅きよさと」でコタさんが持ってきた山岳部テントでビバーク。時間も2時近かったので一瞬で夢の中へ…。気温は0℃くらいだったかな。


翌朝は6時頃に起床して後片付け。登山口の稲子湯方面に車を走らせた。


俺のいつものOGAWAND OWN
コタさんのいつものULA OHM2.0
タロくんの本日デビューとなる山と道 FlamePackONE

9:00 みどり池駐車場
気温-1℃くらい。ドライレイヤー/ベースレイヤー/ソフトシェルで暑くもなく寒くもないウェアリングで快適だった。この二日間はほとんどこれを着たままで行動してたけど、何の不満もなく、ようやく冬場のベストなレイヤリングにたどり着いたなぁという印象。
特にHOUDINIのC9Loftの着心地と汗抜けが、年中汗かきな俺には最高過ぎてハマった。

登山口近くでは雨氷がいっぱい。誰かが「うひょー!」って連呼してた。

C9Loftシリーズは普段着としても大活躍してる。色違いでジャケットも欲しいな。


10:20 しらびそ小屋 休憩
挽きたての珈琲を注文。


コーヒーに添えられたクッキーが嬉しい

小屋の方が防寒テムレスを使ってた

みどり池はもちろんカチコチに凍ってます


12:30 本沢温泉
しらびそ小屋からも平坦路が続くため、登山口からここまでノーアイゼンで歩けました。新雪が降ってたりしたらそうはいかないかもしれないけど、踏み跡も多いので初心者向けだなぁという感想。
この日の本沢温泉は15人くらいキャンセルが出たらしく、個室が空いてたので即答で変更。
後から聞くと、雪上車の運行が止まってしまい15人くらいのキャンセルが出たらしい。\(ラッキー)/



個室はコタツ付きの極楽部屋で最高だった。年に一回は冬山小屋泊みんなで来たいねっと。

談話室のまきストーブも暖かくて最高。モツ煮と大根煮ときのこラーメンを食べてお昼寝。

14:00 雲上の湯に向けて
日本最高所の露天風呂に向けて準備して、フル装備で出発。2年ぶりくらいの10本爪アイゼンの感触がここちいい。
小屋から10分ほど歩くと雲上の湯の分岐があって、沢沿いに下ると全部で6人くらいが入れるサイズの露天(野天?)風呂が見えた。雲上の湯というか雪上の雪という感じかな。


先客のカップル(入ってたのは男性だけ)がちょうど帰るタイミングだったので3人で貸切
かなり寒いという噂だったけど、湯温はちょうど良い暖かさ。外に出てカメラをセットして温泉に戻ってくるというのを3人で繰り返しているうちにポカポカしてきた。
全裸で雪の上を走るというのも貴重な体験。安心してください。履いてませんよ状態。
30分くらいわぁわぁと遊んでたら次のお客さんが来られたのでお湯から出て帰った。身体の芯まで温まったのかグローブ無しでもポカポカした状態で小屋まで湯上り散歩だった。

いろんなおもしろ写真があるけど だいたいアウトです


風呂から上がって部屋に戻ってきたら軽くお酒を飲んでお昼寝。
コタツがある幸せ…。

晩飯は鍋とおでんで、同じ席についた方達と話しながら食事を。これも山小屋ならではだな。後ろの年配のグループはけっこうお酒を飲んでて苦手な感じだー。最近、そういう大きな声の人とか、ぐいぐいくる人が少し苦手…。

晩御飯はとても美味しかった

食後は小屋の近くにある内湯に行ってみた。鉄分が多く湯温がけっこう高めな石楠花の湯は冬季限定らしい。そのかわりヤマモモの湯は夏季限定なので全制覇するためには夏にも来ないとな。

お湯から上がってまた少しお酒を飲んで、20時に消灯になったので大人しく就寝。
コタツに足を突っ込みつつ寝たら朝まで快眠でした。

昨晩の気温が-10℃。今朝の気温が-16℃なのでテント泊も出来そうだな。

5:30 起床
6:30 朝ごはん
※お湯は500ml 150円で売ってくれるとのこと。知らなかったので自分で沸かしたけど、山小屋泊はこんなメリットもあるんですね。

7:10 本沢温泉出発
上はドライレイヤー、ベースレイヤー、ミドルレイヤー、下はウール厚手、ロングパンツ、レインパンツ、頭はキャプとミドルレイヤーのフード、足下は靴下2枚履きに靴にネオプレンのオーバー、手袋はドライレイヤーにウールにオーバーグローブ
歩き始めは末端が寒かったけど、歩いてたら手は暑くなってきて、足は普通になってきた。
樹林帯をゆっくりハイクアップして、まだサングラスはかけない。




8:15 夏沢峠
前方を歩いてた10人くらいの集団に追いつく。
ここでトレッキングポールからピッケルにチェンジ。バラクラバも装着。ハードシェルを着ようか着まいか迷って着なかった。
樹林帯ハイクアップでも暑くなりすぎなかったので、ここからの急な登りのことを考えるといらないかなぁと。



樹林帯を抜けると西からの風が強く吹いてきた。斜度も30°くらい。ピッケルを斜面に突き刺して一歩ずつ確実に進む。初めてピッケルをつかったけど、ポールとは違って突き刺した感触に安心感を覚える。「ギュム」っという今までに聞いたことない音で刺さる。ピッケルを効かして登るの凄い楽しい…!

THE DAY ! !

まつ毛凍ってるNE!!!

硫黄岳までの稜線は、途中数カ所に岩とのミックスがあるものの、防風対策(装備と気持ち)が取れてれば別段難しいというところもなかった。
バラクラバを鼻まで隠すとサングラスが曇るので、鼻を出したり隠したりを繰り返してた。ゴーグルも今回持ってきたけど、晴れの時の強風なら特に必要性を感じなかった。下山の時にホワイトアウトしたり、ブリザードになったりする時用にとっておいていいといていいな。

9:35 硫黄岳
特に大きなトラブルもなく山頂に到着。ただっぴろい山頂は遮るものがなく風が冷たくて長居は出来ないのけど、写真を撮ったり、ちょっと遊んだりして楽しんだ。
赤岳鉱泉方面からも続々と登山者がやってきて、この晴天もあいまって賑やかで平和な雰囲気だったけど、気温は−15℃前後で風も強くてすごく寒かった。

ピークハントした達成感というのはあまりなく、冬山を歩けていること自体が楽しいんだなと思う。


いつか赤岳にも…

ちっさく見えるのがコタさん。爆裂火口の写真撮ってたのかな?

下山中もぞくぞくと登山者がやってきて、道を譲りながらゆっくりと下山した。
樹林帯の手前あたりでようやく落ち着いてきたので、少しシリセードして楽しみながら夏沢峠に戻ってきた。

10:30 夏沢峠
ピッケルをポールに交換。バラクラバを外して少し補給。

11:05 本沢温泉 11:35 out
お腹もそんなに空いてないので、デポしてた荷物をパッキングして写真撮って出発。昨日雲上の湯で会ったカップルと「最高の天気でしたね!」っと談笑。
おじさんが、俺が持ってたヒップソリに対して「これは…なにに使うの…??」っと不思議そうに聞いてみた。こんな山域にソリ持ってくるひとなんて確かにいないっすよね。笑
俺もまだ昨日今日で使ってないし。

本沢温泉でアイゼンもゲイターも外したので快調に歩けて気持ちいい。足の調子もいいし。雪の樹林帯歩きも、木々の隙間から日が差し込んで雪面がキラキラ光って綺麗だ。
青空の下の真っ白な稜線歩きも楽しいけど、樹林帯も十分気持ちいいな。


12:30 しらびそ小屋 12:45out
昨日とはうって変わって繁盛してた。中は満席みたいなので外で少し休憩。昨日は見えなかった天狗岳がみどり池越しに見える。インスタでいつも見てるULの先駆者の皆様が黒百合ヒュッテテント泊の天狗岳に登ってるらしく、こちらもガスひとつない最高の天気で気持ち良かっただろうな。

しらびそ小屋からしばらくは氷と岩と雪のミックスが続いて少し気を引き締めて降りていった。しばらくするとなだらかな道なりになってきた。

昨日と今日はずーっとトレースがある道を歩いてきてて、そのトレースが人間の肩幅サイズの溝のようになっていた。歩いてる最中から「なんだかボブスレーのコースみたいだな」っと思っていたので、なだらかな下りのこの道はソリに最適じゃないかっと思い、いままでただの荷物になっていたソリを取り出す。





ソリにシリを預けて足を上げて滑りだすと、今までで一番綺麗なソリテクを披露することができた。
コタさんとタロくんにもソリを渡して滑ってもらうと超楽しそう。笑
下山の時って少し退屈になったりもするけど、ソリのおかげで最初から最後まで楽しい山行になった。

13:40 みどり池駐車場
駐車場を出た後は、近くの八峰の湯(ヤッホーの湯)に寄って、温泉とソースカツ丼を味わってから帰った。冬場は中央道が混まないのでスイスイ進んで18:00に高尾駅で解散。
下山後はカツがたべたくなる

毎年少しずつ冬山の経験を増してステップアップしてるので、ほどよい緊張感を持ちつつも楽しい登山が出来てると思う。一緒に行ってくれるコタさんタロくんも同じレベルなので無理しない範囲で今後も楽しみたいな。

来年は赤岳鉱泉か行者小屋テント泊で赤岳アタックにチャレンジしたい!ちゃんとした冬靴もできればそろえたいけど、その辺は懐と相談かな〜。



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