2013/8/12-14 白根三山縦走 DAY1

2013年12月1日日曜日

Golite peak HIKING LOCUSGEAR KhufuTyvek 南アルプス

t f B! P L




今年のナツタビは2つあった。
1つは北海道への長期ツーリング。そしてもう1つは南アルプス北部、白根三山の縦走。
少しずつU.L.を意識し始めてから初めての縦走。初めての3000m峰。
初めての2ナイトオーバーハイクという初めて尽くしの山のナツタビ。





DAY1:奈良田温泉駐車場→広河原→白溜池小屋→草スベリ→北岳肩ノ小屋(テント泊)


《ウルトラライトで山に行く》
ウルトラライトハイキングという考え方は昔から知っていたつもりだった。
つもりだったってのは、知っていたと自分で思い込んでいたからだった。いわば、知っていただけだった。

山登りをする人にとって、荷物を少しでも軽くしたいのは当たり前のこと。1g軽くするのに大枚叩いて高額なギアを買って、その緻密なグラムカットを積み重ねて1kg軽くする。そのためには、食事はドライフードが中心で、ビールやおつまみの嗜好品を持っていくなんてもってのほか。そんなストイックな考え方がU.L.HIKINGだと思っていた。それは俺には合わないなと。

でも調べていくうちに、U.L.の考え方の中にも幅があることを知った。
たしかにストイックな登山をしている人もいるけど、ビールをたくさん持っていくために他の荷物を軽くしている人もいる。荷物を軽くして遠くまで歩いていく人もいれば、ハイキング中に走っちゃったりする人もいる。「軽いって自由」ってのは、そうゆうことなのかとU.L.HIKINGについて考え改めさせられた。なんだ、U.L.って全然ストイックじゃないじゃん。むしろ重い荷物をいっぱいもってく方がストイックじゃん。

そこで春にU.L.ザックの登竜門的なGoLiteのpeakを買って、フロアレスシェルターと軽い装備で、憧れの北岳に向かうことにした。3000m級の山に、U.L.で挑む。







《登山口に行くまでがツーリングです》
今回目指す北岳は、南アルプスの北部に位置する日本標高第二位の山。神奈川から出発すると、北アルプスや中央アルプスよりも近いものの、登山口に行くまでが充分なツーリングになってしまう。同行するコタさんも東京都に住んでるので、山梨県甲府市で前泊してから早朝に登山口を目指すことにした。俺らのタビはバイクツーリングから始まる。

コタさんと合流し、甲府のスーパーで買出ししたあと、石和の健康ランドで極楽の壷湯でまったりと。休憩室で米を仕分けるコタさんを横目にマッサージ機で極楽。食堂で鳥もつ煮とビールで満足満足。もう山梨ツーリングとして明日帰っても充分な満足度を得られそうだけど、明日は3時出発で登山口を目指す予定。仮眠室の隅っこで興奮冷めやらぬまま横になったのでした。

翌朝、バイブレーションのアラームで目が覚める。コタさんはあまり眠れなかったみたいだけど俺はぐっすり寝て体力もばっちし回復できました。どこでも寝れるこの性格はアウトドア的な遊びでは役に立つ。笑
ささっと着替えて準備して、深夜料金がかかる3時前に石和健康ランドを出発。コタさんが鍵をなくして探し回るアクシデントがあったけど、このアクシデントはこれから巻き起こるアクシデントの連続の序章に過ぎなかった。

石和を出発して、奈良田温泉の駐車場を目指す。ここにバイクをデポして、バスに乗って登山口の広河原まで行く予定だった。出発時刻は午前3時半。バスの出発予定時刻は6時半。3時間もあれば余裕でつくやろーと高をくくっていたけれど、いざ走り出すと80kmくらいあることが判明。全力で走って結構ギリギリくらい。誰だこんな予定組んだのは。俺だ。

笛吹ラインを全力疾走して富士川沿いに南下、早川町に入る時点で5時を回った。ギリギリ間に合うかと思った矢先、俺のCT110がリザーブタンクに切り替わった。ここから奈良田まで30kmくらい。ギリギリ持つか持たないか。スロットルは緩めれないけど、全快走行するとガソリンがなくなる。そんなジレンマをかかえながら、帰りは最悪コタさんにガソリンわけてもらおうとか思いながら無心で走る。なんで昨日ガソリン入れてこなかったんだと悔やんでも悔やみきれないけど、始発のバスに間に合わなかったらと思うとゾッとする。登山口に着くまでにこんなドラマはいらないよ。笑






《始まりの吊橋》
奈良田の駐車場が見えると同じにバイクが失速した。ガソリンがなくなったのか、ただの息つきなのか分からないけど、駐車場のスキマにバイクを停めて急いで準備する。バスの添乗員の女性が腕時計を見ながらこちらに向けてアピールしてるので、オニギリを口に詰め込んで始発のバスに滑り込んだ。

奈良田の駐車場は今回の縦走のゴール地点なので、ここからバスでスタート地点の広河原にいく。奈良田と広河原の間の区間はシーズン中はマイカー規制されているのでバスの客もすごい多い。1台では乗り切れず増便も出てたみたい。さすがお盆シーズン。今年は各雑誌も南アルプスを取り上げていたから、今回の山旅はきっとにぎやかなものになるんだろうなと思った。不安感は少し薄れるけど、なんだか寂しいような気持ちもある。

広河原について荷物を準備して、ストレッチをしたらいよいよ出発。周りの人は日帰りか小屋泊の人が多いのか、30Lくらいのザックの人が多く目立った。俺のpeakは36Lコタさんのミレーのザックは50Lくらい。俺は頑張って軽量化を進めてきたけれど、出発時のウエイトは8kgくらいだった。水もあわせたら10kgくらいか。外付けのマットがあまりかっこよくないなぁ。

2人でゆっくりペースを合わせて頑張りましょうと気合いを入れて、7時15分登山開始。








《白根溜池小屋の天然水》
吊橋を渡ったらすぐに広河原山荘のキャンプ場があった、広くて綺麗でフラットで気持ち良さそうなキャンプ場。ここに前泊するってのも手だったなーと思いつつ。始まったばかりの山行に気持ちを戻して歩き始める。スタート地点の広河原から、目指すべき北岳がどーんっと見える。今日はあそこの肩まで目指すのだ。

広河原からまずは白根溜池小屋を目指して歩き始めた。コタさんとは1ヶ月くらい前に瑞牆山に行ったことがあるから、お互いのペースはだいたい知ってるはず。樹林帯の中をゆっくりゆっくり登ってく。俺は歩き始めはどうしてもペースアップしてしまうから意識してゆっくりと。思った以上に人が少ないから自分のペースで登れるので良かった。激込みの富士山で痛い目にあったからな・・・。

外国人ハイカーグループ(ファミリー?)がラフなカッコで登ってた。このグループは翌日も翌々日も見かけるんやけど、山をなめてるとか、軽装という感じではなく、なんか、ラフな感じだった。日本の登山文化とアメリカのハイキングカルチャーってのは違うんだろうな。そんなことを感じながらグループを追い抜いた。(直後に子供に抜かれた)

歩き始めて2時間ほどで、9時30分 白根溜池小屋に到着。南アルプスの美味しい天然水をがぶがぶ頂いてオニギリを軽く食べて一息入れた。楽しみにしていたアイスクリームは今日はもうないみたい・・さすがお盆シーズン。。。






《灼熱の草スベリ》
白根溜池小屋を10:00に出発して草すべりを登る。
コタさんは照りつける太陽と急登でグロッキー気味。俺は案外へっちゃらで、皆が言うほどきついとは感じなかった。
振り返れば白根溜池。上を見れば北岳の稜線。目の前にはトリカブトや沢山の花々が広がってて、むしろ楽しく登れる好みの道でした。

俺は長袖の行動着というものがあまり好きになれないので今日も半そでで行動してた。ベースレイヤーの上にColombiaの半そでシャツがお気に入り。ただ、日に焼けると疲れてしまうのでアームカバーでガード。この格好が涼しくて夏山では積極的に半そでを着てる。軽い荷物+涼しげな格好が楽しいハイキングになる要素だな。






《小太郎尾根分岐~北岳肩ノ小屋》
草スベリを抜けるとハイマツの広がる気持ちいい尾根に出た。小太郎尾根分岐といって白根山稜最北部の小太郎山に繋がる尾根道だった。地図では破線ルートになってるけど、見渡す限りでは明瞭なルートで気持ちの良い稜線歩きが出来そうだなと思った。そして、後ろを振り返るとこれから歩く北岳までの稜線が見えて、高まる気持ちを抑え切れなかった。

今までは山頂に向かって歩き続けてきたけど、尾根に出ると周りの山々を見渡す余裕が出来たのか、写真でしか見たことなかった周りの山が見えることが嬉しかった。後ろを振り返れば甲斐駒ケ岳、右を向けば南アルプスの女王仙丈ケ岳。登ってきた方向を見ると、奥に広がるのは鳳凰三山。地蔵岳のオベリスクまではっきりと見えて、観音岳の白砂も分かる。
周りの山が見えると楽しくなるけど、それぞれ自分が登った山だともっと楽しいだろうな。

視線を北岳に戻して今夜の幕営地の北岳肩ノ小屋を目指す。この時点で標高2900mほどなので、いつものごとく息が切れやすく頭痛もたまに訪れる。出来るだけゆっくりと、息を切らさないようにしながら歩いて目指した。





《青い建物の北岳肩ノ小屋》
小太郎尾根を歩いていくとテント場が見えてきて、その奥の建物が北岳肩ノ小屋だった。ここを本日の幕営地とする。到着時刻は13:00ちょうどだった。出発してから5時間40分、CTは少し上回ったかな?

山小屋に来るたびにいつも思うけど、こんな標高の高いところに、よくこんな施設作れたもんだなぁと感心する。青い独特の雰囲気がなんだか怪しさも醸し出していたけど、今まで出会った山小屋の中でも好きな部類だった。(山小屋泊したことないけど)

テントの受付をして、さきほどの道を少し戻ってテント場へ。今日は終日ヘリの荷上げがあるらしく、小屋の周辺にはテントが張れないんだとか。フラットな場所はあまりなかったけど、奥のほうに2張り近くに張れる場所があったので確保して荷を降ろした。
標高3000m、森林限界も過ぎているテント場はペグなんて刺さるわけもなく、その辺りに転がっている石でテントを設営。自立式テントは、ペグダウンしなければ建てることは出来るけど、その状態ではきちんと耐風性能を高めて張れていない。よく、非自立式シェルターを使ってると、「ペグが刺さんなかったらどうするの?大変じゃない?」って聞かれるけど、そんなことはあんまり思ったことないな。

テントを設営して一息つくと頭痛が走った。やっぱり高所は苦手かもしれない。コタさんに声をかけたあと、少し横になって休むことにした。







《標高3000mのシェルター泊
すこし横になって休んでたら頭痛も治まって外に出る余裕が出来た。やっぱり今日はここで止まって正解だったかもしれないな。無理して北岳山荘まで歩いてたら頭痛レベルじゃすまなかったかも。明日の行動時間は長くなるけど、ここでリタイヤしたら元も子もないからね。

外に出るとコタさんはご飯を炊いてカレーを温めてた、外の丁度良い岩のところで2人集まって晩飯にしました。今日の俺の食事は熊出没注意ラーメン。こないだ行った北海道ツーリングで買ってきた袋ラーメンで、乾燥麺を使っていて美味しいって話を聞いてもってきたけど、水が600mlも必要とは・・・。笑
たしかに麺はモチモチしてて美味しいけど、なんかスープの素を捨てるのも勿体ないし、600mlもスープ飲めないしで少し失敗したなぁと。あと、煮込む系の料理はやっぱりガスの方が楽だな。アルコールストーブは軽くて小さくて良いけど、TPOによってガスとも使い分けたほうが良さそうだなーと身をもって体感できた。

コタさんと共同でワインを900mlも担いできたので、北岳と鳳凰三山を眺めながら晩酌した。日が沈んで辺りが暗くなってきたところでそれぞれのシェルターに戻った。風はそこそこ強かったが、シェルターは安定してた。スキマ風が気になったので石垣を作ってみたら案外効果があったみたいで気にならなくなった。シュラフに包まり静かな夜を過ごした。






[北岳肩ノ小屋テント場]
 就寝時 10℃ ・ 夜明け 5℃
 
 closing
  ・finetrack / フラッドラッシュスキンメッシュ
  ・UNIQLO / 化繊T
  ・colombia / Marquam Trail S/S shirt
  ・Marmot / 化繊厚手長袖T
  ・UNIQLO / U.L.DownJacket

  ・montbell / ジオライン L/W
  ・UNIQLO / ヒートテックタイツ
  ・patagonia / 短パン(忘れた)

  ・SmartWool / PhDアウトドアライトミニ

  ・THE NOUTH FACE / Reversible Neck Gaiter

 sleeping
  ・Therm-a-rest / RIDGEREST 100cmカット
  ・mont-bell / U.L.Downhagger #5
  ・SOUTH FIELD / Air Pillow  

 shelter
  ・LOCUS GEAR / Khufu tyvek (DPTE)
  ・SOL / エマージェンシーブランケット

足元にザックを敷いて朝までぐっすり快適でした。

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