2013/8/12-14 白根三山縦走 DAY2,3

2013年12月23日月曜日

Golite peak HIKING LOCUSGEAR KhufuTyvek 南アルプス

t f B! P L

DAY2:北岳肩ノ小屋→北岳→北岳山荘→間ノ岳→農鳥小屋→農鳥岳→大門沢下降点→大門沢小屋(テント泊)
DAY3:大門沢小屋→広河原庵→奈良田第一発電所→奈良田温泉(温泉)






DAY2

《午前3時の天体ショー》
設定していたアラームで目が覚めた。どうやら夜中は途中で1回も起きなかったらしい。UNIQLOを中心に構成された貧乏レイヤリングが完璧だったなと悦に入る。外に出る前に水を一口飲むとキンキンに冷やされてて温まった体内に冷たい水がすーっと流れこんだ。一気に体温が冷えそうだったので、お湯を沸かしてキャラメルマキアートをすすって外に出た。

外は満天の星空っていうレベルじゃないほどに星が瞬いてて、コタさんと一緒に写真をパシャパシャ撮影する。俺は仕事上カメラに触れることが多いので、星の撮影の仕方はなんとなく分かっているけど、コタさんはなかなか難儀してたみたい。流れ星もシャンシャン通るし、天の川も綺麗に見える。何時間見てても飽きない景色だったけど、体が冷えきる前にテントに戻った。






《夜明け前の北岳アタック》
アタックと書いてみたものの、テントを撤収して歩き始めるんだから特にアタック的な要素はないのかも。午前4時頃に肩ノ小屋から北岳に向けて出発した。一晩寝て高所順応できてはいるものの、少し歩くだけで息が切れるし、少し体も重い気がする。夜明け前に北岳山頂に着きたい気持ちはあるものの、ゆっくりゆっくり歩を進めていった。

次第に周りが明るくなってきて、空がオレンジ色に包まれていく。ふと足を止めて振り返ると山肌が赤くそまっていて、冷たい空気によってそれらがよりシャープに見えた。夢中でシャッターを切るが、景色が良すぎて前に進まない。偽ピークに騙されつつ、ようやく山頂が見えてきた。もうすぐ夜明けだ。

北岳山頂は思いのほか人は少なく、広い山頂に全部で30人くらいのハイカーが日の出を待っていた。気温4℃ほどしかないが、意外なほどに風は穏やかで寒さはそんなに感じなかった。雲海から少しずつ太陽があがってきて、一度観衆の声が上がったと思いきやすぐに静かになった。それぞれが思い思いの山の夜明けを楽しんでいるようだった。









《極上の空中散歩》
北岳から北岳山荘、中白根山を通って間ノ岳へ。北岳山荘は、テン場で日の出を迎えたハイカーが出発の準備をしていた。俺もいつものキャンプでは、朝はダラダラ過ごしたい派なので、テントから朝日を望むってのもいいなぁと。朝焼けに照らされた北岳と、雲海から上がる太陽を見ながらコーヒーを啜るってのも乙なものだなぁと思った。

北岳山荘で水を補給して先へ進む。まだ気温も低く風も冷たいのでOMM / Cypher Smockを着たまま行動してた。北海道ツーリングでも随分お世話になった真っ黄色のスモックだけど、その色合いとか、前で柔道着みたいに合わさった裁断方式とか全部ひっくるめて大好きなウェアだ。一度も雨に降られることはなかった白根三山だったけど、240gの軽さなら寒いときのオーバーウェアとして持ってていいなぁ。

左手に富士山、右手に中央アルプスを見ながら標高3000mの空中散歩。なんとも筆舌し難いんだけど、本当にサイコーなんすよ。この景色が見たかったんだなぁ。








《雷鳥に導かれて農鳥小屋》
間ノ岳に着いたのは9:00ちょうど。山頂は多くの人で賑わってたけど、間ノ岳より先は人も少なくなってきて、このハイクで初めて静かな山歩きを体験できた。人も少なくなってくるから同じペースのハイカーさん達との会話も弾む。間ノ岳より先に行く人たちは、俺達も含めてみんな大門沢小屋を目指しているようだった。

間ノ岳から農鳥小屋に向かう途中に雷鳥の家族に遭遇した。初めて雷鳥を生で見れてちょっと感動。そして、道の真ん中でてくてく歩いていく彼らを見て、神経が図太いんだなぁと感心。笑
丸くて可愛い雛鳥を連れた母親が、軽やかな足取りで俺らの前を歩いてって、農鳥小屋までの道のりを案内してくれてるのかと思った。まぁ農鳥小屋は目の前に見えてるんだけど。。

農鳥小屋に10:30着。まだまだ午前中だけど、朝行動し始めてから既に6時間半経過しててそこそこ疲労が溜まってきた。小屋には名物の親父がいると聞いていたけど出会うことは出来なかった。なんでも午後過ぎて農鳥小屋を通過すると、「行動が遅すぎる!」っと怒られるらしい。
思いのほか水を消費していたので、スポーツドリンクを1本だけ購入して、農鳥小屋の先で簡単にランチを済ませることに。俺は鶏団子スープとソイジョイのみ。コタさんはラーメンか何かを食べてるみたいだった。とにかく日が強くて暑いけど、暖かいスープが胃にしみる。





《農鳥岳から大門沢激下りへ》
極上と思われた3000mの空中散歩だけど、こうもアップダウンがあるとなかなかしんどい。3000mでずーっとフラットだったらどんだけ気持ちいいんだろう、そんな山なかなかないやろうけどフラットトレイルを歩き続けるハイクもいいなぁ。

農鳥小屋から西農鳥岳を超えて農鳥岳にはまたアップしなきゃなので、重たい足腰にムチを打って歩き始める。関西から来た男女のハイカーと、埼玉に住んでる親子ハイカーと歩みが同じなので、ちょいちょい会話しながら進む。どちらのハイカーもなかなか巨大な荷物を背負ってたのでテント泊なんだろうなぁ。

農鳥岳までの稜線に取り付くと塩見岳が見えた。南アルプスの奥地へと続くその山深い稜線もすごく魅力的で、水の豊富そうな森歩きも楽しそうだなぁと、目の前の岩稜地帯から目を背けて歩き続ける。塩見岳方面は晴れているのだけど、俺たちが向かう東側の山肌は真っ白に覆われていてなんだか怖い雰囲気がしてたからかもしれない。そんなことを思いながら13:00に農鳥岳に到着。

農鳥岳で小休止した後は大門沢分岐点から南下し、大門沢小屋までの激下りだ。農鳥岳が3025mで大門沢小屋が1200mなので標高差1800mの膝がガクブルする下りだった。一人だと淡々黙々と下るだけだけど、二人なので色んな(下世話な)話をしながらサクサクくだる。もともと下りは得意じゃないけど、小屋について飲むビールのことだけを考えてガシガシ下ってった。(それと同時にここを登るのは絶対嫌だなぁとも思ってた)






《大門沢小屋テント泊》
ほぼコースタイム通りの16:00に大門沢小屋に到着。始めて12時間行動し続けた体はクタクタになってたけど、冷たい水とビールですぐに体は復活した。タイトなテン場にKhufu Tyvekを押し込んだ。基本的にはペグはさせると思ってなかったけど、風もなかったので若干適当にシェルターを張った。

晩御飯はミニトラで炊飯した米と、楽しみにとっておいた服部先生のフリーズドライカレー。行動食にもオツマミにもなる柿の種を食べながら小屋で買ったビールで乾杯。今日は早朝から最高な景色を堪能しながら歩いたけど、行動時間がちょこっと長すぎたなぁ。山屋は早立早着が基本と言うけど、本音を言うと朝は10時くらいまでゆっくりしたいところです。笑

大門沢小屋のテント場は、隣に沢があって水の流れる音がするけど、そんなこと全く気にならずにぐっすり寝れました。






[大門沢小屋テント場]
 就寝時 17℃ ・ 夜明け 14℃
 
 closing
  ・finetrack / フラッドラッシュスキンメッシュ
  ・UNIQLO / 化繊T
  ・Marmot / 化繊厚手長袖T
  ・UNIQLO / U.L.DownJacket

  ・montbell / ジオライン L/W
  ・UNIQLO / ヒートテックタイツ
  ・patagonia / 短パン(忘れた)

  ・SmartWool / PhDアウトドアライトミニ


 sleeping
  ・Therm-a-rest / RIDGEREST 100cmカット
  ・mont-bell / U.L.Downhagger #5
  ・SOUTH FIELD / Air Pillow  

 shelter
  ・LOCUS GEAR / Khufu tyvek (DPTE)
  ・SOL / エマージェンシーブランケット

微妙に傾いたところにシェルターを張ってしまったので寝にくかったけど、
朝までぐっすり寝れました。





DAY3

《朝の森林散歩》
コタさんがテントを片付ける音で起きた。今日も彼は早起きしてしまって、その後寝れなかったらしい。普段の生活とのギャップがあるんだろうけど、コタさんはいっつも早起きのような気がする。(しかも夜はいっつも酒に寄って早寝してる気もする。笑)

大門沢小屋から奈良田の駐車場までは沢沿いの道をゆるゆると下っていく楽しい道でした。途中いくつかの吊り橋を超えながらCT通りの時間で下山。麓に近づくに連れて段々気温が上がって蒸し暑くなってくる。建造物が見えてきたりして現実に帰ってきた感じがした。

ツーリングの後半とか、旅の後半とかと同じなんだけど、こういう終盤を迎えるときの気持ちって
、旅が終わって欲しくないとかいうよりも、早く下山して美味いメシとふかふかの布団で寝たいって気持ちのほうが大きいよね。帰るところがあるから旅ってのは面白いんだと思う。







《奈良田温泉》
下山の最後は林道歩きからのアスファルト歩き。足をクールダウンさせるのにちょうど良かった。バイクを止めていた奈良田温泉はとても雰囲気の良い温泉宿だったが、まだ日帰り入浴ははじまってないとのこと。。町営の温泉は水曜日は定休日って書いてあるし、念願の温泉には入れないのか・・・って諦めかけたが、その場に居合わせた数人のハイカー達で、いちおう町営温泉にいってみることに。

温泉の入口に看板が出てて、「やっぱり無理か~」的な雰囲気になったけど、なんとお盆のシーズンは休まず営業してくれているらしい!しかも朝も早くからあけてくれていて、なんとも嬉しい待遇だった。

昔ながらの温泉といった佇まいで、すこしぬるめのお湯がちょうどいい。頭をガシガシあらって足を揉みほぐして、湯上り後のキリンレモンで乾杯~。縁側に座ってまったりと過ごせました。






《あとがき》
初めてのアルプス、初めての縦走だったけど、人も少なくて自然にどっぷり浸かれた3日間でした。
南アルプスはまだまだ一部しか歩けてないけど、南部の山深いとこにも踏み入れてみたいな。
夏旅2つ目。大満足なハイキングになりました。コタさん一緒にいってくれてTHX!!!



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